竹駒さんのお白狐 〜岩沼の民話より〜

むかしむかし、岩沼は奥山出羽兼清という方の領地でした。
兼清は 狩が大好きでよく野に出かけました。

ある日のことです。
「えら」という鳥を連れて行きました。
「雲雀がとんでいるやな」と言って「えら」を放ちました 。
 えらはたちまち空に向かってとび舞い、雲雀に食いつきましたが、
どうしたはずみか、ともにどしんと草むらに落ちてしまったのです。

 そこへ不意に野狐が現れてきて「えら」をいきなり食べてしまったのです。
兼清は「なんということだべ、おれがこの竹駒を治めてから、
竹駒神社のお祭りは一度もかかしたことがないのにや、
この竹駒さんのお使は狐だというだべ」
とおこって竹駒神社へ行って不平を言ったのでした。

 「あの悪さばした狐ば、こらしめなければ初午のお祭りば、やめるからや」
と、言って大へんおこったということです。

 すると、その夜のことです。
南の方に数千のキラキラするたいまつみたいなものを
見たものがあるということです。

 「ゆうべ皮ば、はがされた狐がはりつけになっていたということだべ」
と言いました。
兼清はそれでは「竹駒さんがこらしめたのだべか」
と不思議に思って、巫女にきくと
「竹駒さんはおれのところの使いの狐ではないけれども、
捕らえて罪にしたということでがす」と言い、
「これでおこってはなんねえす」と言ったということです。



語り
手 三浦 菜男
聞き手 大内 義雄


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1,050(消費税込)
限定3,000冊
A5版 200ページ全88編

〔内容〕
   竹駒神社の縁起
    
竹駒神社のお使いと野狐
     竹駒神社の白狐

   金蛇水神社の由来
     金蛇さまのビッキ石
   田村将軍と蟹退治
     五間掘りに三軒橋をかけた話
   蛤ものがたり
     岩沼の化物屋敷
   岩沼地方の童唄
           etc


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