竹駒さんのお白狐
〜岩沼の民話より〜 むかしむかし、岩沼は奥山出羽兼清という方の領地でした。
兼清は 狩が大好きでよく野に出かけました。 ある日のことです。 「えら」という鳥を連れて行きました。 「雲雀がとんでいるやな」と言って「えら」を放ちました
。 えらはたちまち空に向かってとび舞い、雲雀に食いつきましたが、 どうしたはずみか、ともにどしんと草むらに落ちてしまったのです。
そこへ不意に野狐が現れてきて「えら」をいきなり食べてしまったのです。 兼清は「なんということだべ、おれがこの竹駒を治めてから、
竹駒神社のお祭りは一度もかかしたことがないのにや、 この竹駒さんのお使は狐だというだべ」 とおこって竹駒神社へ行って不平を言ったのでした。
「あの悪さばした狐ば、こらしめなければ初午のお祭りば、やめるからや」 と、言って大へんおこったということです。 すると、その夜のことです。
南の方に数千のキラキラするたいまつみたいなものを 見たものがあるということです。 「ゆうべ皮ば、はがされた狐がはりつけになっていたということだべ」
と言いました。 兼清はそれでは「竹駒さんがこらしめたのだべか」 と不思議に思って、巫女にきくと 「竹駒さんはおれのところの使いの狐ではないけれども、
捕らえて罪にしたということでがす」と言い、 「これでおこってはなんねえす」と言ったということです。
語り手 三浦 菜男
聞き手 大内 義雄 |  |
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